言葉遣い

一年くらい前から,言葉のもつ本来の意味について敏感でありたいなと,気をつけている。先日「こども」という言葉について,amiteeさんが書いていた記述( http://d.hatena.ne.jp/amitee/20051213 )を読んで,冷や汗をかいた。漢字「供」は蔑称であるからなるべく使わず,「子ども」と書くようにしているとの事。この解釈には賛否あるみたいだけれど,僕は全く何も考えず,「子供」の方を使っていた。


それで,自分の為の覚え書きもかねて,普段から意識して使わないようにしている言葉などを列挙してみる;
『すみません』?「有り難うございます」と「ご免なさい」の両方の意味を持つので,とても使いやすく,ついつい口走ってしまう。でも殆どの場合,「有り難うございます」か「ご免なさい」で置き換えられるし,その方が意図が明確になっていい。

『一応/ちょっと』?先日,不動産屋と電話で話していたときに

「…その手数料の件に関しましては,一応契約書にも書いてありますので,一応お客様にご負担いただくという事に,なっておりまして一応…」

なんて言われて,頭に来てしまった。この例では,副詞「一応」は何も意味していなく,取り除いても文章の意味は変わらない。ただ聞こえを柔らかくしているだけである。「ちょっと」もおなじで,「このみそ汁,ちょっとしょっぱいね。」と使う場合はいいのだれど,

「O君,来週の金曜日,忘年会なんだけれど,出られる?」
「あー,来週の金曜日…は…,ちょっと無理です」

なんて言う時の「ちょっと」は何にも意味いていなくて,表現を和らげているだけである。全く使わないとは言わないまでも,なるべくへらすように意識したいのである。

『…させて頂く』?正しく使えば,しっかりした丁寧語になるけれど,連発されたり,むやみに使われると,聞いていて不愉快になる。例えば,この前機械学会で聞いた

「この連立方程式を解くにあたっては,反復法を選ばさせて頂きました」

なんていうのには,ビックリしてしまった。某駅の駐輪場で

「1時間以上放置された自転車は,撤去させて頂きます」

と書かれた看板を見た事がある。放置する方が悪いのだし,自転車を撤去するという強硬手段に出ているにもかかわらず,なんで「させて頂きます」とへりくだる必要があるのかさっぱり判らない。「撤去致します」でいいはずなのに。