3月20日

花曇りとでも呼んで良いのか、生暖かい天気。南風が吹き、黄砂と花粉に混じってセシウムヨウ素のチリが舞っているような気がする。

  • 妻の弟とお母さんは、名取市の隣町である岩沼市に仮住まいを用意した。亘理町の実家に置き去りの必要な物を新しいアパートに運ぶために出かける。車で内陸部を南下。田んぼを東へ抜け、沿岸部にある妻の実家へ向かった。田んぼには海水が入り、一面に散乱した車、木材、大量の葦、ドラム缶、船、瓦屋根などの上を、カラスやウミネコが舞っている。かつてゴミの処分場であった頃の「夢の島」のような風景だ。
  • 妻の家は、津波のダメージを深甚に受け、半壊している。2階にあった家電や、その他の衣服を取り出す。
  • 家の一部に倒壊しそうな箇所があったので、そこらに散乱していた木材を用いてつっかえ棒をする。この作業にかなりの体力を要した。
  • 震災後の報道では、南三陸石巻地区の被害が中心的に扱われていた。私などがうかがい知ることのできない様々な事情があると思うが、同等の被害が出ている宮城県南部沿岸の町、亘理町・山元町の報道は極めて少なく、まるで被害が出ていないかのようであった。以下、亘理町周辺の写真を掲載する。一定の意義があると思う。写真は、阿武隈川の堤防沿いを歩きながら撮影したもの。多くの家々が押し流され、強固な堤防が決壊しかけているのがわかる。