Waves in WBC

スポーツ観戦において観衆がよく行う行為に「ウェーブ」がある。前後左右の人々とリズムをあわせて起立&着席、ときには両手をビラビラさせるなどして、客席に波を伝搬させて場を盛り上げる。その波の分散関係などはひょっとしたらどこかで研究されているかもしれないのだけれども、僕はWBCをテレビジョンで観戦していて、一つ発見した。

日本・オランダ戦。ある回に自然発生した「ウェーブ」は*1レフトスタンドからライトスタンドへ伝わり、その様子をビデオカメラが追っていく。ライトスタンドの末端に達した「ウェーブ」は、1塁側内野席スタンドへとさらに伝わっていく。ところが、東京ドームの内野席は1階と2階に分かれていて、「ウェーブ」も分離する。ライトスタンドポール際あたりを同時にスタートした「ウェーブ」は、明らかに1階席のほうが2階席よりも速度が速かった。

ドームの2階席は一度座ったことがあって、びっくりするくらいフィールドが遠くにみえる。プレーヤーが遠すぎると盛り上がりにも欠ける。一般的に言って2階席の方が全体的に観衆のtensionが低い*2。観客のtensionが低いと「だりぃな」とか思いながら仕方なく起立・着席、両手をビラビラさせるので、「ウェーブ」の伝搬速度が遅くなるのではあるまいか? 

弦の振動も、張力(tension)が低いと波の伝搬がおそいわけで、まったく上手く言ったものであるなと思いました。

*1:この発生機構にも研究の価値がありそう

*2:ついでに、人口密度も低い