妖怪や幽霊とか

「お化けなんて無いさ。なぜなら、これまで一度も観測したことが無いから。」と僕はこれまで思っていた。もし仮に、お化けが存在するのならば、それは何かしらの方法で観測出来るはずである。観測が出来ない以上、その存在について論ずることはできない。物理学者はそういう風に考えるし、僕もそう思っていた。

しかし最近、(オカルト好きの小林秀雄や、水木しげるとか、柳田邦男のほんを読んでいて)、「お化けは『存在』するのだろう」と思うようになった。観測が出来なくても存在していることが確かなモノはあるのだ。僕が思いつくその唯一の例は、(人間を含めた)動物の心だ。心(精神、自我)は、たぶん確かに存在しているけれども、それを観測することは出来ない。脳の中をいくら物理的に一生懸命調べても、見ることが出来るのは血管の血流とか、神経の電流ばっかりで、それらをいくら追求しても、永遠に心に達することは出来ない。僕の直感では「心が在る」と言うとき、その「在る」とは物理学で言うところの存在とは全く別の意味であって、科学の方法で心を観測することは不可能であると考える。

「在る」という動詞を「心が在る」と同じ意味で使うのであれば、「お化けは在る」主張しても間違いではない。