便座について

うちのトイレの便座には電熱線が入っていて,スイッチを入れると生暖かくなる。特に冬場は,お尻が切れるほど冷たい思いをするのを避けるのに役立つ。

しかし問題点が一つ,この電熱線のスイッチは,常に付け放しにして使用するしか無いのである*1。僕の場合,一日のうち実際に便座に座るのは十数分くらい。これは24時間の1%程度である。そもそもこれは座った瞬間に「つめてぇ!」と心の中で悲鳴を上げるのを避ける為のもの。それ以降は僕の体温が便座を温めるので,さらに電気で温める必要はない。つまりほとんどの熱は,ただ無意味にトイレ内の空気を暖めるのに使われていると考えてよい。

なんとかこの便座温め機能 ー 以下仮にhideyoshiとよぶ ー をセンサー付きに出来ないものか,いつも思う。しかしこれは自明であるが,便座に赤外線センサーなどを付けて,僕らが座った後,電熱線に電流を流しても全く無意味である。便座が暖まるまでには時間がかかるので,僕らがモヨオス数分前に,スイッチが入らなければならない。つまりhideyoshiは,そろそろ誰かがモヨオス事を予想しなければならない。これはモヨオス本人にも分からない事で,仮にhideyoshiが1GHzほどの頭脳を持っていたとしても,どうしようもないだろう。

人間の大腸に何らかの小型のセンサーを取り付けてモノの位置を感知する。「もうすぐ来ますよ」と電磁波など使って便座に教えてあげるのが多分現実的であるが,それはすこし大げさすぎる。妙案はないな

科学は,最近は人を火星まで運ぼうとしているし,臓器移植などでいろんな病気を直したり,無限の可能性に満ちているように見える。しかしあらかじめ便座を温めておくというような,簡単な事が案外出来なかったりするのだなあと,ぼくはトイレを使う度に,このことをおもう。

*1:その電気代は,全体の5%ほどに達する場合もあると言う。そもそも発電所でわざわざ熱から作った電気を,また熱に戻して使うなど非常にMottainai話で,そんなことはカルノーサイクルの事など知らなくても想像がつく。オール電化というのは,電気代だけ見ればお得な事もあるかもしれないけれど,実際には大きな無駄になっているはず