建前/本音

学内の研究予算を申請する手続きで,混乱している。その仕組みはその年々の責任者の意向よって変化し,流動的で曖昧である。どういう対応をとるべきなのか自分だけでは判断できないので,勝手を知っている古株の教授に尋ねる。ところで言うまでもなく,学内の事務の手続きには,例の「本音と建前」というやつが散在している。上司にあたる教授は,かなり用心深いのか「建前」の側の情報しか教えてくれないのである。そうすると「本音」がさっぱり見えてこない。いつまでたっても見えてこない。

「・・・と言うのは建前で,結局の所はこうすれば良いのだろう。だから申請書にはこう書けば良いのだろう」

と素早く察しがつけばいいのだけれど,僕のその能力は低い。かといって,「建前」どおりに行動していたら,トンデモない無駄が生じる。だから教授から「本音」を引き出さなければならない。するとかなり突っ込んだ質問をすることになる。例えば,

「・・・でも,そういう事態なんて本当は殆ど起こりえないのだから,『○○○を記載しろ』っていうは,意味はないんですよね?」

という感じで,空気は殺伐としてくる。

また申請書を書き直していて,しかしこれで良いのか自信がない。ダメだったら,こんなどうでもよい物はもうほっぽり出して,10月から執筆を開始しおうと思っていた,論文の方に移ろう。カケン費の締め切りもあるし。