想定外の解答

3年生の数学のテストの日。作った問題が少し簡単すぎたようで,平均点が80を超えてしまった。

sinh xの逆関数微分を計算させる問題をだした。解答としては,逆関数微分の公式を使って

(\sinh^{-1}x)'=\frac{1}{\cosh(\sinh^{-1}x)}=\frac{1}{\sqrt{1+\{\sinh(\sinh^{-1}x)\}^2}}
~~~~~=\frac{1}{\sqrt{1+x^2}}

という解答を期待していたのだった。公式(cosh x)^2-(sinh x)^2=1を使った変換が思いつくかどうかがポイントなのであるが,学生の一人が想定外の解答をしてきて,驚いた。彼は

\sinh^{-1}x=\ln(x+\sqrt{x^2+1})

であるから,右辺を微分すれば直ちに1/\sqrt{1+x^2}がでる,と一行で証明を終わらせていた。上の式は僕は知らなかったけれど,確かに成り立つのですね,勉強不足。もしかしたらその学生は

\int\frac{dx}{\sqrt{1+x^2}}=\ln(x+\sqrt{x^2+1})+C

という式を憶えていて,使ったのかもしれない。