印鑑廃止論

入試のお仕事があった。いくつかドジをする。一つはスーツを弟に貸していて、作業着姿で仕事に当たることになってしまったこと。もう一つは携帯しておくべき印鑑を忘れてしまったこと。

スーツは大嫌いだ。あれを着ていると、一歩一歩あるくごとにHPを一つ奪われているような気分である。しかし、毎日同じ服装をしているとこの利点は大きいと今回痛感した。たとえば名刺や三文判の印鑑や手帳やペンなどのごとき、常に携帯しておくべきものを胸ポケットにつっこんでおき、そいつの存在を忘れ去ることが出来るのは良いことだ。僕などはオシャレさんなので、スーツは着ないけれども、毎日違う格好で通勤をし、ふぁっしょんを楽しんでいる。なので、いつもどこかに印鑑や手帳を忘れてしまう。しかし、スーツを着て毎日出勤するなんて、考えるだけで憂鬱になる。スーツを着た時分の姿は、弱々しく見える。

ついでにもう一つ。印鑑が大嫌いである。この日本の、あらゆる事務の場面でたいして必要もないのに「ここに押印願います、ここに押印願います」と頻発する風習と、印鑑そのものが完全に消え去ってくれれば、僕は三日三晩、大宴会をして祝いたい。