キンカンコーヒー

毎朝の出勤では、居室に入る前に校内の自販機に立ち寄り、あたたかい缶コーヒーを買うのが習慣になっている。今朝はどういう訳か、それを忘れていた。机に向かい、ディスプレイの電源をいれて
「あ、コーヒー忘れたな。」
と思い出した。途端、体全体が缶コーヒーを欲していることを感じた。驚くべきことに、その感覚は、久しく忘れていたニコチン切れの感覚と全く一緒だった(禁煙を始めてから、もう半年経つ)。僕は狼狽した。カフェインにも依存性があるとは聞いていたけれど、缶コーヒーにあれだけ強い禁断症状を感じたのは、今朝が初めてである。

 タバコは一箱300円で、昔は一日で一箱すっていたから、月に9300円かかっていた。今は、缶コーヒーを一日平均2.5缶くらい飲んでいて、これは月に8525円の計算だ*1。タバコを吸いすぎると気持ちが悪くなるように、缶コーヒーも3缶目くらいになると、胃がムカムカして、軽い頭痛もするようになる。別に缶コーヒーが体に悪いと言っているわけではない。ただの水だって、一日何十杯も飲めば、体をこわす。どんなものでも過剰摂取は有害なのだ。お金だってもったいない。

 つまり、禁煙に引き続いて、禁缶コーヒー*2をしなければいけないのだろうか。何でもかんでも「禁〜」という接頭語をつけて、「健康と節約のために、やめなければならないな」と考えてしまう精神状態は、すこし不健康だ。

*1:タバコを吸っていた頃は、タバコを吸いつつ、缶コーヒーも同じペースで飲んでいた。

*2:カタカナで書くと、3シラブルの韻が心地よく響く。