日フィル演奏会

日本フィルの定期演奏会があった。学校は午前で切り上げて、研究打ち合わせのために青葉山に行く。H氏と「5時まで」議論をし、その後に県民会館へ出かけた。

題目は、シベリウスの「フィンランディア」と、グリークの曲と、後は忘れた。グリークが一番感動的であった。

それで書きたいのは、演奏中、近くの席に座っていた壮年の女性が発する物音がうるさかったと言うこと。曲が始まってから、パンフレットをゴソゴソとバックにしまったり出したりしている。演奏の音量に比べれば十分に小さい音でも、周波数帯が違うせいか、とても耳障り。本来だったら、ジェスチャーで「静かにしなさい」と注意するところであったけれど、その女性があまりに高齢だったので、躊躇してしまったのだった(逆に失礼かもしれない)。僕は非常にイライラして、感動は半分くらい飛んでいってしまった。

ところで、女性が「ゴソゴソ音」を発していたのは、せいぜい1,2分くらい。残りの大部分は彼女も静かに曲を聴いていた。しかし、ぼくは彼女に対する憤慨に心を捕らわれてしまって、残りの時間もあまり音楽に集中できなかった。「ゴソゴソ音」が止まった後、それを綺麗に忘れて音楽に集中できる割り切りの良さが僕にあれば、十分に演奏会を楽しむことが出来たはず。なので、感動が半分も飛んでいってしまった原因の大部分は、実は、僕の精神性の稚拙さにあるような気がした。

もし、ジェスチャーではっきり注意することをしたなら、
「よっしゃ、言ってやったぞ。このやろう」
とスッキリして、演奏に集中できたと思う。