年々歳々、悪くなっていく

学校で担当している低学年向け実験での話。去年と同じ内容を、今年もまた新しい二年生にたいしてやっている。彼らの中には、集中力がなかったり、あからさまにやる気が無かったり、使う日本語が理解不能だったりするのがいて、能力にばらつきが多い。
それでついつい去年の学生と比べて、

「だんだんレベルが下がっているな」

と思ってしまう。けれども、よく言われるゆとり教育とかと結びつけて、そういう判断をするのは安易なのかもしれない。僕などももう2年目だし、多少マンネリしていたり、新たな心配事にイライラしていたりする。それで去年なら気にならなかった学生の振るまいが、気になったりするのだ。
 いろんな先生の話を聞いていると、学生について「年々悪くなっている」という感想は良く聞くけれど「良くなっている」という言葉をついぞ聞いたことがない。どこの地方でもどの時期でも「必ず悪くなっている」としたら、それは確率的考えてもおかしい。

年が経つごとに悪くなっていくのは、学生ではなくて、学校に長年勤めて淀んでしまっている教員(の感受性)なのかもしれない。そう考えるとしっくり来る。