小春日和を無為に過ごす

土曜の夕方に某先生から電話がかかってくる。明日、テニス部の練習試合を設定したから、一緒に来てくれとのこと。あさ9時集合で16時解散だという。しかも、場所は車でしか行けないような辺境のテニスコートである。

あまりにも唐突で一方的だ。「前日の夕方になって突然そんなことを言われても無理。」といって断れば良かった。しかし、どうも僕は、突然降りかかってきた事態を、そういう受け答えでもって回避できる瞬発力をもっていない。承諾して電話を切った後に沸々と怒りがこみ上げた。

かくして小春日和の日曜日、僕はテニスコートの脇のベンチに9時から4時まで、実に7時間のあいだぼーっと座って何もせず、高校生たちがテニスをしているのを眺めた。あまりにも無為な一日であった。離れたところに座っている某先生へ、僕への連絡が遅れたことについて、文句を言おうと何度も思った。しかし、最近の某先生は、今年度の激務によるストレスにやられてしまったのか、行動パターンにおかしなところが散見される。非難を向けてもまともな反応は期待できそうもないし、それどころか何をされるかわからないので、黙っていることにした*1

帰宅後、前日に作った手作りボロネーゼソースをつかって、夕方にラザニアとなすのパスタを作ってみた。どちらもプロ並みにおいしくて、救われた気分であった。

*1:言葉で相手を非難することをしないで、ただ「あいつには言うだけ無駄だ。」と、一方的に相手を切り捨ててしまう行為は、とても暴力的で卑劣な行為だと中島義道が書いていて、僕もそう思う。なにか不当なことをされたと思ったら、なるべく明確な言葉にして自分の不満をぶつけるようにしようと心がけている。しかし、何をするかわからない相手には、さすがにひるんでしまう。一定の信念の元に行動するのは、本当に難しい。