日課

春から「ミリオンベル」という名の植物を育てている。園芸用に改良された種で、春からずっと花を咲かせている。しぼんでもしぼんでも、次から次へと新しい花が出てくる様は、病的にも見える。

湿度の高い日が続いてたせいか、ミリオンベルにアブラムシがついた。芥子粒ほどに小さい緑とか茶色のやつが、ウジャウジャと花弁あたりに集まって、何かを食べている。それで、僕の毎朝の日課が増えた。ピンセットををつかって、アブラムシを一匹一匹駆除するのだ。堅い外殻で形成された彼らの体は、ピンセットでつまむと、プチっプチっと心地よい音を立てて潰れる。橙色の体液が小さく飛びちる。プチプチ。

そうやって、毎朝50匹くらいの大虐殺を行うのだけれど、彼らはなかなか絶滅しない。しぶとい奴らだ。そろそろ毒ガス兵器(カダンD)を使わないといけないかもしれない。