禁煙と呼吸

 この事を書くのは本当に恥ずかしいのですが,また禁煙をしている。禁煙とは,これから一生,死ぬまで,一本も(!)煙草を吸わない,と言う事である*1。想像するだけで,人生が悲しくなってくるのである。
 遠い昔,煙草を吸いはじめる前の僕は,「呼吸」を意識していなかった。しかし煙草を吸い始めてから,「呼吸」はニコチンとタールを伴った,新しい物に置き換わった。すると「呼吸」に味と香りが付与されて,僕はそれを楽しむようになった*2
 禁煙をしても,呼吸を意識する。しかしその呼吸は極めて空虚だ。ミント味のガムなど噛んでみたけれど,なにか違う。だから禁煙とは,煙草を吸う前とも煙草を吸っていた時とも違う,何か,未体験の,全く新しい呼吸を体得する作業であると思う。それがどういった物なのか,まだ僕には解らない。完全に煙草を断った人は,どんな呼吸をしているのだろう?

 禁煙に有効な物:ヨーガ体操。やけどする程熱いほうじ茶。ミント味のガム,マウスウォッシュスプレー。
 禁煙の初期において必要な事:煙草を吸う友人と会わない事。喫茶店でコーヒーを飲んだら,直ぐに清算を済ませて外に出る事。天気がよくても「天気が良いな」と思わない事。など

朝,フライパンを弱火にかけたまま,学校に行ってしまった。夕方帰って来て,キッチンでフライパンからの輻射熱を感じ,消し忘れに気づく。
そのあと料理をするが,酢を床にこぼす。しめじのソテーと豚肉が半生で,それをすこし,いやかなり食べてしまった。洗濯をしていて,柔軟仕上げ剤の注入口に,間違って洗剤を入れてしまった。非常にイライラして,煙草を吸いたくなったので,ヨーガ体操をして,熱いほうじ茶を飲んだ

*1:僕は今まで,これを理解していなかった。一本くらい吸っても許されると思っていた。

*2:よく森林浴などする人が「空気が美味しい」なんていうが,噴飯ものである。言うまでもないが,空気に味などない