夏合宿

鳴子近くの川渡という温泉地に、東北大のセミナーセンターがある。出身の研究室から誘われて、泊まりがけのセミナー合宿に参加した。参加者ははやかわさんと、ほんどうさん、院生3人と僕の、男6人。

温泉地での合宿だと言うので、想像するに、温泉にたっぷりとつかって汗を流し、畳の上に寝ころんでビールなど飲み、ちょっとばっかし学生の研究の発表を聞いては、適当なつっこみを入れて済ませ、卓球でもやって寝る・・・という楽しい催しなのだろうと思っていた。


セミナーセンターには平屋の離れが数棟ならんでいて、それぞれに10畳ほどのセミナー室に黒板とスクリーンが一つ、簡易ベッドが12床。あとはトイレ。それ以外には何もない。余りにも禁欲的な空間で、セミナーをする以外には、どうしようもないのである。

実際は10時に到着して、直ちに昼までセミナー。さらに午後、3時間のセミナー。山を下って形ばかり温泉につかり、余り美味しくないジンギスカンをひたすら食べる(これはまったく修行であった)その後、またセミナー。翌朝は七時半に起きて、朝食を済ませ、昼間まで3時間ほどセミナー。

1泊2日の滞在の間、終始冷たい雨が強く降り続いていて、暖房の効かないセミナー室は寒く、全く夏合宿という気がしなかった。

昼過ぎに川渡を離れる。皆、昨夜のジンギスカンが胃にもたれていて、疲労の色が濃いようだった。けれども、このあと東北大に戻って、餃子パーティをすることになっている。6人が皆、積極的な気持ちではなかったと想像するが、一度決めたことは覆らない。何が何でも餃子を食らうのである。

結局、100個の餃子を作り、無理矢理食べた。美味しかったのが幸いだった。