作家の遊び方

東北地方の新聞「河北新報」に、伊集院静の新刊の広告が載っていた。『作家の遊び方』なる題名の本。おしゃれなバーでかっこよく酒を飲んでいる氏の写真とともに、「遊ばなければ/見えない物はある。/私はそう考えている。」なんていう本人直筆のキャッチフレーズが書き込んである。

表紙には、これまたおしゃれなバーでかっこよく酒を飲んでいる伊集院氏の肖像が「ドン」と写っている。読むまでもなく、このようなたぐいの本は下らないに違いない! 伊集院氏の作を一つも買ったこともなければ、手に取ったこともないけれど、ぼくは断言する。そもそも伊集院氏はゴルフがやたら上手いらしい。昔は、一つか二つくらい中身のある作品を書いたのかもしれないが、最近は下らぬ本を量産しては印税を稼ぎ、そしたら海外の有名ゴルフ場へでかけて、「あはー」なんて言いながらポコポコと玉を打っているに違いない。まったく虫酸の走る話である。ぼくは上記の広告を目にしてからというもの、伊集院氏が気になって仕方がない。ああもう!

今日、書店へ出かけた。残念ながら『作家の遊び方』は見つからなかった。その代わり『大人の流儀』っていう、似たタイトルの本が平積みされていたので、立ち読みしてみた。
「面白かったらどうしよう!」
とビビリながら読み進めたものの、15ページくらいのところで、相当に程度が低いとわかった。そして僕はすっかり安心し、彼のことを忘れた。