デキル男のカバン


もうしばらく前、ぼくは、デキル男になろうとおもって、デキル男が持ってそうなカバンを買った。アニエスベーのカバンである。

このカバンは、4つの部屋に分かれていて、それぞれの部屋に複数の収納ポケットがそなわっている。総数は15を上回る。ペンや手帳、ノートパソコンがすっきり整頓できる、まさにビジネスマンのカバンである。

ところが、ちょっとした小物などが、このカバンの中で行方不明になってしまう。先日も、出先でかっこ良く名刺を渡そうとして、カバンのなかを、
「ゴソゴソ…ゴソゴソ…、あれぇ名刺、どこにしまったっけなぁ、」
なんて先方をイライラさせてしまった。

最近は、スケジュールを管理しているiPodが見つからない。もう、2週間くらい行方不明で、なくしてしまったものと諦めていた。ところが今朝、このカバンの中からiPodが発見され、びっくりした。灯台下暗しではなくて、このカバンが一番怪しいとおもって、さんざん探したのにもかかわらずである。要するに僕は、デキナイ男です。