休日の日曜日。子連れで出かけて疲れた、こんな日は外食が便利。

「寿司でも食べてこましたろ」

ということになった。我々家族は、食事にある程度お金をかけるべきであると常日頃かんがえているので、寿司は鮨勘でたべる。鮨勘は、店内で無数の鮨皿がぐるぐる大回転している類いの、大衆的なお店である。しかし無遠慮に食べ、日本酒を注文したりすれば、家族で1万円弱の料金を払う(夫婦二人+3歳児のばああい)。

鮨勘まで行くには、現在走っている四号線をUターンせねばならず、ちょっとだるいね。かといってスシローとかカッパ寿司とか無添くら寿司といった、意味不明な名前の寿司屋には入りたくないね。などと車内で話していたところ、手頃な店を発見した。

「はま寿司 杜せきのした店」というその店内では、鮨皿は計4カ所で大回転しており、すべての席に液晶パネル。感圧式の画面を、ぴぴぴと押せば鮨が注文されるのである。そこでリッチな私は、「贅沢寿司」とジャンル分けされたウニ軍艦巻き(150円)を1皿注文。間もなくするとウニ軍艦巻きが流れてきたので、「おう、いいね」とこれを食した。しかしそれは、同じレール上に座っている他人が注文したウニ軍艦巻きであったことが後で知れた。というのは、そのあと目の前の液晶画面が唐突に明滅し

「まもなくウニ軍艦巻きが到着します」

と知らせたからである。たしかにウニ軍艦巻きは、数秒後に到着した。システムを良く理解しない私はこれも食した。すると「他人」のところへは、ウニ軍艦巻きが、到着せずじまい。それはきっと私の責任かと、こんな殺伐とした店で、他人との「絆」を感じて愉快になってきた。さらに注文した「マグロユッケ」が美味であったが、ヤリイカはいつまでたってもやってこなかった。

そして退店。支払いは1400円。安すぎるぞ。